日本で暮らす外国人にとって、在留資格の更新は避けて通れない手続きです。
数年ごとに平日に休みを取り、書類を整え、入管へ足を運ぶ。
その繰り返しは、心理的な重荷になります。
しかし、永住許可を取得すれば、この更新手続きから解放されます。
在留期間の制限はなくなり、就労活動も原則自由になります。
さらに、住宅ローン審査や各種契約における社会的信用も向上します。
「10年以上日本に在留」は原則にすぎない
最短1年で申請できる高度人材ルート
「10年以上日本に住まなければ永住許可を取得できない」という理解は、あくまで原則です。
2017年の制度改正により、高度専門職ポイント制度が整備されました。
・高度専門職ポイント80点以上
1年以上の継続在留で申請可能
・高度専門職ポイント70点以上
3年以上の継続在留で申請可能
・日本人または永住者の配偶者
婚姻3年以上かつ日本在留1年以上
・日本への特別な貢献が認められる者
5年以上の継続在留で申請可能
扶養人数で必要年収目安が変わる
扶養人数と送金記録の落とし穴
永住審査では「独立生計要件」が重要視されます。
単純な年収額ではなく、世帯の安定性が問われます。
目安としては、扶養家族が1人増えるごとに
必要年収目安が約50万円加算される傾向があります。
【例】
単身者 約300万円
配偶者扶養 約350万円
子1人扶養 約400万円
さらに注意すべき海外扶養
2016年以降、扶養控除を受けるには
親族関係書類と送金記録の提出が必須となりました。
送金実績が不十分な場合、
適正な納税を行っていないと評価される可能性があります。
永住を目指す場合、短期的な節税よりも
安定した納税実績の積み重ねが重要です。
公的義務の履行は最重要
公的義務の履行は最重要審査項目です。
対象となるのは
住民税
国民年金
健康保険料
ここで見られるのは、
「完納している」かつ、
「納期限を守っている」です。
数日の遅れであっても、
履行義務違反と評価されることがあります。
対策としては
・自動引落設定
・領収書の保管
・納付状況の事前確認
が基本です。
永住審査は過去数年分を遡って確認されます。
「日本への貢献」の対象になる可能性
5年在留で永住が可能となる
「我が国への貢献」枠は、想像よりも広範です。
例として
・大学で3年以上教育活動に従事
・IoTや再生医療など成長分野でのプロジェクト従事
・日本の上場企業又は同程度の規模の日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事
・自治体や政府からの委嘱活動
専門性やキャリアの積み重ねが評価対象になります。
特別な受賞歴がなくても、
社会的価値を生み出していれば対象になり得ます。
身元保証人は連帯保証人ではない
永住申請で心理的ハードルとなるのが身元保証人です。
しかし、入管法上の身元保証は 借金の連帯保証とは異なります。
保証内容は
1 滞在費
2 帰国費用
3 法令遵守
に限定されています。
法的な強制力や金銭的支払義務はありません。
あくまで道義的責任です。
この点を正しく説明すれば、
上司や知人にも理解を得やすくなります。
まとめ
永住は「偶然」ではなく「準備」の結果
在留年数
収入
納税
年金
扶養状況
ポイント制度
これらを戦略的に整理し、条件を整えれば、
結果は近づきます。
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参照:出入国在留管理庁
「我が国への貢献」に関するガイドライン
https://www.moj.go.jp/isa/content/930002484.pdf